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日記 + 最新小説保管 / 創作・版権二次創作 / 同性愛要素、性表現含
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こんなはずじゃあ。(♀メカニック)
ついったー診断でこんな結果↓が出てしまったので頑張ってみました。

cross_troubleさんの今日描くべきキャラは『ダル目で小柄で謙虚そうな20代に見えるオネェ系のロボット。職業:帝王』です。 http://t.co/ROswz6l

とりあえず無茶振り過ぎる。もっともあえて無茶振りの結果が出るのが楽しい診断なのですがw で、まあなんというか自分は絵描きではないのでSSで勘弁していただく方向で。何で書こうか悩んだのですが、無難(?)にROに致しました。最初黒バスにしようとしたけど20代という部分がネックで断念したのは内緒です。

というわけで本文は降りたたみ先に。
自分はメカニックを持っておりませんので、スキル仕様等間違って解釈していたら申し訳ありません……脳内鯖ということでひとつ宜しくお願いいたします。
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ひさびさこんしゅうのじゃんぷ。
ようやく涼しくなってきたかと思えばゲリラ豪雨が降ってきたりと安定しない天候が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。自分は熱中症の心配がなくなったのはいいのですが、母御に教えてもらって折角買った首に巻くひんやりさん(品名を忘れましたが中にジェルが入ってるネクタイっぽいので、水に浸して何度でも使える奴です)が一回しか活躍していないのが少々心残りです。

というわけで脈絡はありませんが、このところめっきりサボってましたジャンプ感想です。BLGLNLと燃えと萌えが赴くまま、自由に書きなぐっております。全作品の感想ではなく、黒子のバスケを贔屓目にそのときの気分で書いてます。ネタばれ万歳な内容ですので、コミックス派や未読の方はご承知の上でお進みくださいませ。
 
ただ、ちょっとだけ。(ラウレル&イレンド)
 別に、たいしたことじゃない。
 ただ「それ」を見つけたときに、ちょっと。
 そうさ、ほんのちょっとだけだ。
 腕力にそんな自信のない俺にも持てるかどうか試してみたくなっただけだ。
 俺が使えない武器だなんてのは判りきってたけど、あえて持ってみたかった。
 よく知らない武器を研究するのだって、侵入者対策の一環て奴さ。

 ──なんてな。

 そんなん嘘だって判ってるっての、自分で。だからそんな目で見んなよイレンド。目は口ほどにものを言うんだぜ。
 ああ、お前の思っている通りだよ、くそっ。
 だってあの人があんまりにも軽々と扱っているのを見ていたから。その鮮やかさが目に焼きついて離れないから、俺も持ってみたくなって。
 それに新しいカタールが増えたら、そいつを俺があげたらあの人は喜ぶのかなって、そう思った。
 悪いか。



 魔術師の割には日々肉体鍛錬を怠ることなく、そこそこの戦闘力を持つ相手なら体術で渡り合える程度には鍛えているつもりなのだがと、自室で一人ラウレルは苦笑を口の端に浮かべた。
 彼の両手で抱えてなお、カタールはずっしりと重い。ベッドに座っているから、実際に立って装着したとき感じる重量は余裕でこの倍以上なのだろう。
「これを、こうやってはめて……ってやっぱ俺には無理」
 装備が可能ではない職であっても、それは一般の話で。規格外の体を持つ自分ならば装備できるのではと思ったのだが、やはり無理があるらしい。
 扱うとまではいかなくとも、装着してみたかっただけなのだが。
 軽やかに風を翔るあの腕は一見華奢に見えるが、その実極限まで余計な肉をそぎ落としたうえで俊敏さも失わない、絶妙なバランスで体作られているのだろう。
 想い人の姿を脳裏に想い描いたラウレルは、まるでこの世が終わりそうな勢いの大きなため息を吐いた。
 数日前に侵入者が落としていったカタール。ちょっと持ってみたいだとか、侵入者対策に研究してみたいだとかもっともらしい御託を並べて、ラウレルはそれを自室へと持ち帰ることに成功した。
 他の皆はラウレルの言を信じただろう──ただ一人、こちらに向けてどこか物言いたげな視線を寄越していたイレンドを除いて。
 直接口に出したことはないし、相談したこともない。だがイレンドは確実に知っている。三階に住まう暗殺者エレメス=ガイルに対し、叶う望みの薄い恋心を抱いていることを。
 望みが薄いのは、エレメスの心には既に自分以外の誰かが住んでいるからだ。
 それはあくまでラウレルの推測、勘でしかない。確たる証拠もなければ、本人に聞いたところでおそらく否定するだろう。
 だが。
 悔しくてはらわたが煮えくり返る思いだけれど、ずっとエレメスを見つめてきたラウレルだからこそ判る。
 判りたくもないのに、気づいてしまったのだ。
 からかわれているのに対して怒って困っているはずなのに、本気で嫌がっていない声。表情。周囲に助けを求めていながらも、真剣に逃げていない。拒絶していない。
 そしてあれは仲間として仕方なく行動を容赦し容認しているのではない。エレメス個人として受け入れているのだと。
 もしも明日からそれらの一切がなくなったらきっとエレメスは──寂しいと思うに違いない。
 それを思うと大きいため息の一つくらい出ても仕方ないだろうと独り言をこぼす。
「何が仕方ないって?」
「げ」
「ご挨拶だね、ラウレル。何度ドアをノックしても返事はないし、部屋にいるのは確かなはずだしで無遠慮かと心の中で謝罪しながら入ってみれば、いくらなんでも開口一番人の顔見て「げ」はないんじゃない?」
「……悪かったよ」 
 自身の想像世界に深く入り込んでいたのか、どうやらドアが開く音も気配も気づかなかったらしい。
 明らかに呆れ果てた表情で佇むイレンドの格好はいつでも侵入者と戦うことのできる武装だった。そういえばそろそろ巡回の時間かと今になって気づく。確か今日は男女で分かれていくと決めたのではなかったか。 
 ラウレルが気まずそうな顔をしたことでイレンドも気づいたのだろう、表情にいつもの柔らかさが戻る。
「すぐ支度する」
「早めにね。もうすぐセニア達が戻ってくるから。カヴァクもとっくに準備済みだよ」
 へいへい、とラウレルは立ち上がってチェストを開け、綺麗に並んだ中から気に入りの杖を一本取り出す。
「なあイレンド、今日の巡回ルートだけど前と同じにするか? カヴァクが前言ってたろ、土管側がやばいって。俺もそれは」
 ローブの襟を正しながら振り返ったラウレルは、イレンドの視線がベッドへと釘付けになっているのに気づき、話している途中で言葉を失う。
 そこには、後で片付けようと思っていた一振りのカタールが鈍い銀の光りを放っていた。
「ラウレル、これって」
「……そいつの研究してた。つい没頭してて返事が遅れた。悪い」
「研究、ね」
 全てを了解したようにイレンドはカタールの横に腰掛けた。
 お互い隠喩を含んだ会話をしているのが滑稽に思う。イレンドならば余計なことを口外しないだろうし、いっそ胸の内を包み隠さず打ち明けてしまえばいいのだが、何度もあったはずの機会をすべてスルーしてきてしまっている為、本当に今更なのだ。
 なのでつい、お互い判っているけど知らないふりという茶番を、他人の目がない場所でも演じてしまう。
「さっさと三階に行っておいでよ」
「……煩いんだよ、このお節介」
「お褒めに預かり光栄だね」
「褒めてねえ」
「褒めてるよ」
「何でだよ」
 大抵の場合イレンドの言いたいことが判るラウレルだったが、今日に限っては本当に理解ができない。
 にこにこ笑顔を崩さないイレンドを軽く睨み付けてから、ラウレルは隣に腰掛ける。
「さあ。何でだろうね」
「お前なあ」
「いいからさっさと行っておいで。巡回の途中で抜け出してもいいから」
「優等生の台詞じゃないな」
「今日は侵入者は来ないよ。そんな気がするんだ」
 ただの勘だろうと悪態をつくラウレルを無視して、「それに」とイレンドが続ける。
「使ってあげなきゃ。いつまでもここにいたらカタールも可哀想だから。ね?」
 そう言って微笑んだイレンドがラウレルの背中を軽く二度叩く。
 ラウレルが三階へ行く目的を判っていながら、あえて使われないままの武器への感傷に置き換えたイレンドに感謝しつつ、ラウレルはゆっくりと頷いた。
「……そうだな」
 元来性急な気性をしているラウレルは、一度腹を決めた以上、速やかにこれを三階へ持って行きたいと心がはやる。
 強力なライバルの前であの人が自分だけに笑顔を見せてくれたりしたなら、天にも昇る気持ちで幸せな想いでいっぱいになれる。そんなことはないかもしれないが、その想像はラウレルを十分に幸せにした。
 ただ、何故か──。
「ん?」
 こちらに微笑みかけるイレンドを見たラウレルは、何故だか今すぐ三階へ行く気になれなかった。
 隣に腰掛けているイレンドに少しだけ寄りかかり、自分と々くらい細い肩へ頭を乗せる。
「……ラウレル?」
「ちょっとだけしたら、行く」
「カヴァクを待たせてるよ?」
 少し困ったようなその言葉とは裏腹に、イレンドから拒絶は伝わってこない。
 何故──その答えがわからないまま、ラウレルは無言で瞳を閉じた。
キャラメルボックス「降りそそぐ百万粒の雨さえも」
友人にお誘いいただいて、10年くらいぶりにキャラメルボックスという劇団のお芝居をサンシャイン劇場で観て参りました。最後にここのお芝居を観たのは同じサンシャイン劇場で演ったカレッジ・オブ・ザ・ウィンドというタイトルの劇でした。

一時期は毎公演を見に行くほど大好きな劇団でありましたが、最近はなかなかお芝居に行く機会がなく、役者さんの顔ぶれもすっかり変わっておりました。自分がよく見ていたころに新人さんだったり中堅だった方が看板役者さんになっていたり。ですがやっぱりキャラメルボックスという劇団のテイストは変わらず、それでいて若いパワーを感じることができる良いお芝居だったと思います。前説も加藤さんではなく新人の方が担当するようになってたのですね。初々しさがいい感じで「頑張れ!」と思ってしまいました。

お話の内容をざっくり記しますと、鳥羽伏見の戦いの後に江戸へと戻る新撰組を、隊士の一人である立川迅助という男を中心に五稜郭まで描いておりました。風を継ぐものというお芝居の続編(勿論観ていなくともお話はわかるようになっています)で、私はそれの92年公演を観ておりました。そのときとはキャストも全く変わり、特にメインどころは以前演じられていた方のイメージが強烈に残っていた為、最初は申し訳ありませんが違和感がありました。けれど役者さんの演技とパワーにぐいぐい引き込まれ、違和感などどこかに吹っ飛んでしまっていました。
実力のある方の当たり役(私が「風を継ぐもの」で観たときの土方役は上川さんでした)を引き継ぐというのは大変なプレッシャーだったと思います。けれど新しい土方を観ることができて、とても満足でした。人情味あふれる、それでいてどっしりとした雰囲気を持つ三浦さんの土方、好きになりました。
カーテンコールで垣間見た迅助役の左東さんがとても素敵な笑顔で、お人柄の良さが見えた気がしました。他のキャストさんからの弄られ具合も良かったですね。大内さんや畑中さんに突っ込まれている様子がとても微笑ましかったです。
細かな演出もさることながら、相変わらず劇全体を盛り上げてくれるZABADAKの曲。キャラメルの舞台は決して難解ではなく判りやすく楽しめるので、素直にその世界へ入っていけるのが魅力だと思います。

久々にアンケートを書いたため、長々と思ったことをひたすら感想欄に書き綴っていたら、なんとロビーに残っていたのはいつのまにか自分と友人が最後という事態に。感想はすでに裏面に突入しておりまして、それでもまだ書き足りないことがいっぱいありましたが、スタッフの皆様にご迷惑をおかけしてしまうことも考え、途中で終わらせて撤退。まさかスタッフの皆様方からコールをいただいたうえ製作総指揮の加藤さんに見送っていただくことになろうとは……いやもう嬉しいと思いつつ恥ずかしかったです、スタッフの皆様昨日二時の回終演後は本当に申し訳ありませんでした;

10年ぶりのキャラメル体験でしたが、思い出してしまうとダメですね。DVDやビデオで観ることもできますが、やっぱり舞台は生が最高です。昨日だけで、次回も観に行きたい病に罹ってしまった気がします。
空色の傘(セニア他)
 それが床に落ちていることに、最初に気づいたのはセニアだった。
 穏やかな日常が一転して血の惨劇になったその日、集団でやってきた侵入者達の強さはここに住む彼らの手に負えるレベルではなく、まるで嵐のように彼らを薙ぎ払い、そして三階への道へと進んでいったのだ。
 急ぎ三階へと敵の襲来を伝令に走ったトリスの背を見送るセニアの視線が、ふと床に落ちた。
 穢れの紅い海に一点、場違いに浮いた存在。血の様な緋色の絨毯に転がっていたそれは、遠目には空色の水溜りに見えた。
 いつもなら侵入者が落としていったものに、特に興味は惹かれない。せいぜい新しい武具によって皆の戦闘力が上がることくらいだ。
 にもかかわらず、今日に限って強烈に──あの空色に惹かれた。
 背中に受けた太刀傷もそのままに、セニアは血が溢れ流る左足を引きずりながら空色に近づく。
 水溜りなどではなく、それは空色の傘だった。
 こんなところに何故傘があるのだろう。先ほどの侵入者の誰かがたまたま持っていて落としていったのか。理由はわからないが、その傘は確かにセニアの眼前に存在していた。
 血で汚れた自分の手が触れていいのか暫し逡巡し、悩んだ挙句セニアは恐る恐る傘へと手を伸ばす。
「……たい」
 真新しい空色の傘を手にしたセニアの喉奥から、言葉が零れ落ちた。
 差してみたい。
 この建物から出ることの出来ない身では、到底無理な願いと判っている。
 それでも。
 この傘で、天から落ちてくる雫を──雨を浴びてみたい。
 微かに指先を震わせながら傘の柄をそっと掴んだセニアに、いつの間にか隣にいたアルマイアから声がかけられた。 
「セニア、呆けてないで早くイレンドのヒールを受けといでよ。自分じゃ気づいてないかもしれないけど、あんたの怪我、背中も足も結構酷いんだからさ」
「……ああ、すまないアルマイア」
「心配してるのは、別にアタシだけじゃないさ」
 みてごらん、と言われるままに振り返ると、この場にいないトリス以外のメンバーがセニアに向けて心配のまなざしを向け──特に癒し手であるイレンドの目は険しさすら帯びていた。
「判ったろ?」
 肩をすくめたアルマイアの瞳が、さっさと治癒を受けて休めと言っている。無理するなと口が動いているのはラウレル、泣き虫のカヴァクはすっかり涙目になっていて、イレンドは自身の怪我も厭わずこちらに歩いてくる。
「セニア、じっとしててね」
 どうみても怒っているイレンドの瞳にセニアは若干たじろいだが、イレンドの腕も相当の怪我を負っているのに気づいて首を横に振った。
「イレンド。お前も怪我をしてるだろう、私よりもお前の傷を」
「セニアが先」
 有無を言わせぬ迫力で言葉を遮られ、セニアは口ごもる。イレンドは普段至極温厚な気立てなのだが、言うべきことはしっかり言う。それも大抵筋が通っているから、反論できない。
 イレンドの腕から滴り落ちる血が気になったが、ここはおとなしく言うことを聞いておくべきと判断したセニアは、その場にしゃがんでイレンドのヒールを受けた。
 片膝をついてイレンドがセニアに癒しをかける。温かい光がセニアの体を幾度となく包み込んだ。
 その間も、セニアは掴んだ傘の柄を離さずにいた。一度手にしてしまうと、今度は手を離すのが惜しく感じる。何故そんな風に思うのか、イレンドの治療を受けている間セニアはずっと自問していた。
「はい、傷は大体塞がったよ。でもヒールじゃ体力は回復できないからね、ちゃんと休むこと。ここじゃいつまた敵と遭遇するかわからないから、なるべく早く居住区域に移動しよう」
 安堵の表情に疲れの色を滲ませたイレンドが額に浮かんだ汗を拭いながら立ち上がり、しゃがんでいるセニアを見下ろして頷く。
 相当のSPを消費させたらしく、イレンドは肩で息をしている。それだけセニアの負った傷が深く酷かったのだと物語っていた。
「すまない、イレンド。本来ならば真っ先に私がそう提案してしかるべきを……」
「怪我をすれば思考も鈍るよ。こういう時なんだから、少しくらい人に責任を預けたっていいと思うよ」
 仲間なんだから、と穏やかに微笑んだイレンドが今度はカヴァクのところへ行き、ヒールをかけていく。
 責任──それを負うのはセニアにとってアイデンティティであり誇りだ。だがそれゆえに仲間同士助け合うという考えを失念しがちだった。
 リーダーという役割は牽引力も大事だが、かといってワンマンではいけないのだと、三階に住まう兄分である騎士、セイレンに言われたことを思い出す。
 セニアには、セイレンの言が正しいと判っている。でも仲間が傷つくことの方が耐えられないし、リーダーとして仲間の安全を確保する責任を負っていたいのだ。
「さ、立てるかいセニア。イレンドの言うとおり、さっさと移動しよう。三階に行ったトリスも部屋に戻ってるかもしれないしね」
「そうだな」
「ところでセニア、それは?」
「ああ……そこに落ちていたんだ」 
 ゆっくりと立ち上がったセニアは、怪訝そうに傘を覗き込んでいるアルマイアに頷く。手渡して見せても良かったのだが、なんとなく持ったままでいたかったセニアは傘を見せるようにアルマイアの眼前へ軽く掲げた。
「わあ、傘だ! 傘だよね、それ」
「カヴァク、まだヒールの途中なんだからおとなしくしてて」
「傘なあ。セニアが剣以外のモンを拾うなんて珍しいな。ま、俺も杖か短剣以外興味ないが」
「えー。でもラウレル、こないだカタール拾ってなかったー?」
「ばっ……カヴァクお前余計なこと覚えてんじゃねえよ」
「痛いっ。殴んなくったっていいじゃないかあ」
 男子三人のやりとりを眺めて呆れ顔をしているアルマイアがやれやれと肩をすくめていた。
 さっきまで死闘を繰り広げていたはずなのだが、この三人の会話を聞いていると漫才というかコントを見ているような気がして気持ちが和む。ささくれ立っていた心が和らいだ所為か、セニアの中に若干余裕が生まれた。
 ぎゅっと強く傘の柄を握り、くるりと皆を見回してから一呼吸置いて、セニアは口を開く。
「皆。この傘なんだが……私が持っていても構わないだろうか」
「別に構わないんじゃない?」
「うん、いいよー」
「トリスが傘なんて欲しがるとは思えないし、俺も別にいいぜ」
 イレンド、カヴァク、ラウレルがそれぞれセニアの問いかけに同意して首肯する。
「アルマイア、お前は?」
「アタシは別にいらないし、欲しいなら持っていきなよ」
 トリスの意見はまだだが、とりあえずこの場にいる全員に承諾を得られたセニアはほっと胸をなでおろし、水色の傘を抱きしめるように胸へ抱えた。
 


 血を洗い落としてから自室へと戻ったセニアは濡れた髪の水分をタオルで吸い取りながらベッドへ腰掛けた。
 サイドデスクに立てかけていた傘をそっと手繰り寄せ、おもむろに開く。
 小さな音を立てて開いた傘は、柄や各所についていた血は綺麗に拭われていて、雲ひとつ浮かんでいない晴天のようだった。
 そのままベッドに寝転んだセニアは、自身の頭部に被るように傘を置く。するとセニアの視界に空色が広がった。
 何故なのだろう。
 今もってその理由はわからない。
 ただ──安心する。
 いくらシャワーを浴びても落ちることのなかった血の匂いが薄れていくような気がする。
 見たことないはずの景色が心の上澄みに浮かんではおぼろげに消えていく。
 どんな敵を倒しても、仲間が傷ついても、自身が傷ついても涙を見せなかったセニアの頬に一筋の雫が伝う。
「空色の世界に降る雨は、何色をしているのだろうな」
 視界を空色に染めてくれる傘。
 きっと他の色では意味がなく、空色だったからこそ欲しかったのだと──心が凪いでいく不思議な感覚の中、セニアはそれだけを理解した。
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